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確定測量図とは?
カテゴリー:スタッフブログ

確定測量図、言葉だけは聞いたことがあるという方もいるかもしれません。
確定測量図とは、土地の境界を完全に確定させたものになります。
土地には境界というものがあり、境界によって隣地や道路との線引きが明確になっています。
その境界には石や金属でつくられた境界杭が埋まっており、
その杭によって土地の境界が明確にされているというわけです。
土地の価値は広さに比例するので、不動産売買において境界は非常に重要となります。
そして、その中でも確定測量図は隣地所有者の立ち合いを経て境界確定されたものです。
当然ながら、境界は自分1人で確認するわけではなく、隣地があれば隣人、
道路であれば官(行政)立ち合いの元で確認する必要があります。
土地家屋調査士や測量士といった有資格者が測量図をつくり、
隣人や行政が署名・押印することではじめて確定測量図になります。
逆に言うと、確定測量図がないということはその土地の境界は
承認を得ていない可能性があるということです。
そうなるとその土地を売買した後に隣人と揉めるリスクがあるので
不動産取引には確定測量図が必須になります。
■測量は費用がかかる
上述したように、不動産取引は確定測量図が基本は必須です。
確定測量図がないのであれば作成するしかありません。
測量費は一律でなく、以下のような要素で大きくブレてきます。
●相続人が複数いて協力に時間がかかる
●構造物があり、境界確定が困難
●隣接地の所有者を探すのが困難
●過去に立ち合いが合意に至らなかった
●資料が全くない不動産
後は、広さによっても金額はブレてきますし、土地の形状も関係してきます。
整形な土地であれば測量しやすいですが、複雑な形をしていて測量しにくい土地であれば
自ずと測量費用は上がってきます。
■気を付けるべきケース
前項で解説したケースで特に気を付けるべきは以下のような状況です。
●相続人が多い
●境界杭の確認ができない
境界確認は所有者が全員行う必要があります。
相続などの案件で土地の所有者が複数いる場合にはその所有者全員の承諾が必要です。
これは単純に時間の手間がかかるので相続案件測量時は金額が上がりやすいです。
できるだけ、相続人が一堂に会する場を、相続人自身で調整してつくるようにしましょう。
また、「境界杭」が確認できないケースとは、たとえば道路工事などの影響で
境界杭が破損してしまったケースが挙げられます。
特に古い土地だと境界杭が破損しているケースはよく見られます。
この状態だと「境界杭わ新たに作成する費用」などもかかり
境界確認も困難になるため費用が上がるというわけです。
境界杭は自分で確認できるので売却する前に境界杭の状況はチェックしておきましょう。
■確定測量図を扱う上でのポイント
そんな確定測量図ですが、取り扱う上でのポイントは以下の通りです。
●承認に時間がかかるケースもある
●確定測量図が不要なケースもある
1点目は、境界の承認に時間がかかるケースもあるという点です。
上述したように、確定測量図は境界確認を隣地や官と行います。
そのときに、お互い現地で境界の位置を合意しますが
相手方が承認しなければ確定測量図は完成しません。
仮に、境界杭が破損して場所が分からないときは
相手方もこちらが示した位置に納得しない可能性もあります。
やはり、自分の土地が狭くなってしまうと不動産価値を下げることになるからです。
ただ、確定測量図をつくらないと売却は困難になることも多いため、
売却を急いでいる時などは相手の示した位置で合意せざるを得ないときもあります。
いずれにしろ、土地を含む不動産の売却時は早めに測量図の有無と境界杭の破損状況を確認しましょう。
繰り返しますが、土地を含む不動産の売却時は基本的には確定測量図が必要です。
ただし、都市部以外の広大な土地を売却する場合には
確定測量図がなくても売買取引が成立する場合もあります。
というのも、都市部以外で地価が低い地方の土地などは
その土地の売買に関するトラブルが発生しにくいからです。
そもそも、前項のように隣人が境界を承認しないのは土地という自分の資産を目減りさせたくないからです。
そのため、土地自体の価値が低い場合はそのような心情になりにくいのでしょう。
また、地方の土地は都心部の何倍、何十倍と広大な土地を取引する場合があります。
そのときに新たに確定測量図を作成すると大きな手間がかかり多額の費用になってしまうのです。
このような場合は「公募面積」といわれる登記簿謄本に記載されている面積を
ベースに取引することが多くなります。
自身の土地は測量が必要なさそう、測量が必要かどうか分からない…という方は
土地の審査を不動産会社に依頼してみましょう。
必要ない場合はそのまま売却活動に進めますし、
分からない場合は不動産会社が相談に乗ってくれます♪
■確定測量の流れ
確定測量は以下の流れで行います。
●法務局での調査
●現況測量
●道路境界の確認
●隣地との立ち合い
●筆界確認書作成
●境界杭の設置
まずは法務局での調査です。
法務局で対象の土地や隣接地の「公図」「地積測量図」「全部事項証明書」など資料を集め
隣地の所有者なども調べます。
要は、法務局で土地に関する情報を集め、測量の準備をするというわけです。
あまり知られていませんが、土地の登記簿謄本も含め、土地に関する資料は
本人以外でも取得することができるのです。
法務局での資料集めが終われば、次に対象の土地について測量します。
土地に境界杭が存在すればそこを基準にして、境界杭がないのであればブロック塀などを基準とします。
そして大まかな寸法や面積の分かる現況測量図を作成するという流れです。
次に、対象の土地と道路の境界が確定しているかどうかの調査を行います。
もし確定ができていなければ道路との境界確定を公道であれば官と行い
その道路が私道であれば道路所有者と行います。
隣人(民)との境界確認より先に官との境界確認を行う理由は
上述したように官との境界確認は時間がかかるからです。
次に、測量士や仲介会社、もしくは所有者本人が隣地所有者に連絡して
境界について現地で立ち合いを依頼します。
そして、隣人立ち合いの元で法務局の資料や現況測量図を利用して境界について合意します。
隣接土地所有者と境界が確定できれば、筆界確認書と呼ばれる書類を2通作成して
双方が1通ずつ保管するという流れです。
筆界確認書とは、「境界確認書」や「境界承認書」とも呼ばれ、
この書類があることによって確定測量図として成立します。
この書類の作成には測量士は関与できず、土地家屋調査士が作成することになります。
最後に、測量士より「測量成果簿」などの名称で、
測量図と筆界確認書が同封された書類を受け取ります。
上記が、確定測量図を作成するまでの一連の流れです。
■確定測量でトラブルになりやすいポイント
境界はその土地の面積を決め、土地の面積は不動産価値に直結します。
そのため、確定測量図をつくるときは以下のようなトラブルになる可能性があります。
●越境は一般的に起こり得る
●確定測量図作成前の契約
越境とは、隣人の所有物が境界を越えている状態のことです。
たとえば、屋根の一部が越境していたり、ブロック塀がミリ単位で
越境していたりという状況は一般的に起こり得ます。
その際は、必ず越境に関する覚書を締結しておかなければいけません。
覚書を締結することで「越境をお互い確認している」
「ブロック塀が破損すれば所有者が遅滞なく補修する」など、
将来的なトラブルリスクを抑えることができます。
このような作業は基本的に仲介を担当する不動産会社が行います。
しかし、土地取引の経験が少ない不動産会社だと覚書の内容に不備があったり
そもそも覚書を取得しなかったりする場合もあるのです。
そのため、土地取引の際は不動産会社の選定も重要です。
繰り返しますが、土地を含めた不動産取引時は基本的には確定測量図で取引します。
しかし、官との境界確認に時間がかかっていたり、事情があり、隣人に境界合意の意志があるものの
署名捺印が得られていない場合があったりします。
そのときは、地積測量図や公募面積を基に土地取引をしますが、
実際に引渡し後に境界確定ができなかったり
面積が違ったりすればトラブルに発展する可能性があるのです。
そのため、土地の売買契約書に特約を設け、確定測量図の作成ができなかったり
著しく面積が異なったりする場合に契約は白紙解約できるようにします。
もちろん、売主・買主のトラブル防止には必要ですが、
売主の立場からすると白紙解約になるというリスクを背負っていると言えます。
そういった面からも土地を含む不動産売買時は境界確定を早めに終わらせて
売買契約を結ぶときは特約を付けずに結ぶのがベストです。
このように、確定測量図は土地取引には重要な資料であり、土地をめぐるトラブルにならないよう
気を付けなければいけません。