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家庭円満はトイレがポイント!?
カテゴリー:スタッフブログ
家を新築するとき、皆さんは間取りのどこから考え始めるでしょうか?家族が集まり、長い時間を過ごすリビングでしょうか、それともみんなで食卓を囲むダイニング、一日の疲れを癒すお風呂という方もいるかもしれません。
でもちょっと考えてみてください。皆さんは一日に何回お風呂に入りますか?普通1回、多くて2回くらいですよね。ご飯は3回。でも仕事や学校などで家を留守にする時間があれば、家で食事するのは朝晩の2回だったりします。ではトイレは?家にいる間に最低は5~6回は行くという方が多いのではないでしょうか?
トイレは家族全員が頻繁に利用する空間なのに、間取りを考える際に優先する人はあまりいません。その結果、実際に住み始めてからトイレにまつわる様々なトラブルが起こってくるのです。
そこで今回は、家族が快適に過ごせるトイレの間取り、ベストなトイレの広さとは?最新トイレ事情、新築時に考えるべきトイレの注意点などについて紹介し、家族全員が快適に利用できるトイレづくりのヒントを提供していきます。
■トイレの間取りはデリケート
◎音やニオイの問題
面積自体は狭いですが、間取りを考える際トイレの場所は難しい問題です。というのもトイレは究極のプライベート空間であり、しかも音やニオイという「家族といえども、気になる」要素が関わってくるからです。家族以外の人が遊びに来てトイレを使う場合、更に問題は深刻化します。長時間家にお邪魔したが結局最後までトイレに行かなかったなどということも起こりえます。また、その家に住む人でも思春期だったりすると、トイレに行ったことを家族に気付かれたくないからと自宅ではトイレに行かないというような子もいるそうです。そういった問題に配慮するためにも、できる限り気を使わず、リラックスできる場所にトイレを配置するべきなのです。
◎トイレの間取りここはNG
リビングは一番人が多く集まりやすく、常に誰かがいる可能性が高いです。そのためリビン近くにトイレがあると、常に人の気配を感じながら用を足さなければならなくなります。これではリラックスできませんし、トイレに行くこと自体に抵抗感を感じてしまうかもしれません。
玄関近く、階段の下がトイレになっている間取りもよく見掛けます。家までトイレを我慢してきた時に飛び込めるという点においてはこの間取りを超えられるものはないですが、玄関は人の出入りが多く、宅配や出前などで家族が対応しているときはトイレに行けなかったり、階段を上り下りする音が気になって落ち着かないという意見も見られました。
冬の寒い時期、また、年齢を重ねると夜中に1度や2度トイレに起きるという方もいます。寝室からトイレが遠いと行くのが億劫なだけでなく、それきっかけに再び寝付けなくなって目が覚めてしまったという声もあります。
近年は、戸建であれば各階にトイレがあることが多いですが、一家に一ヶ所しかトイレがない物件だと、階段近くのトイレに行って夜中寝ぼけて階段を踏み外すリスクも問題視されていました。ご高齢で足腰が弱い方が受け身も取らず不意に転落したものなら、骨折不可避です(´;ω;`)
■トイレは複数必要?
家族全員がトイレに殺到しやすい朝は、自分のタイミングでトイレに行けない「トイレ渋滞」が起こります。家族が連続してトイレに入ることになりますので、前に入った人などのニオイも気になりますよね。そんな悩みを解決するのが「複数のトイレの設置」です。
◎トイレが快適空間になった結果、ゆっくり派が増加した
そもそも、トイレ渋滞が深刻化した背景には、「トイレゆっくり派」の増加があります。トイレに関しては、1分程度で全てを済ます「トイレせっかち派」と5分以上は滞在する「トイレゆっくり派」があり、近年トイレの快適設備の充実により、ゆっくり派が増えているようです。
◎マンションはほとんどが一ヶ所 一戸建ては80%以上が二ヶ所
一戸建ての場合、各階にトイレがあるなど80%以上が二ヶ所にトイレを設置しています。それに対し、マンションの場合は90%以上が一ヶ所です。階段下などデッドスペースを有効活用することのできないマンションは複数のトイレの設置が難しいのです。
◎複数のトイレ設置のメリット
①朝のトイレ渋滞が解消できる
トイレせっかち派とトイレゆっくり派の共存が可能となります。誰かが入った直後に入らなくて済むため、ニオイなどの問題も軽減します。
②トイレに気兼ねなく行ける
複数のトイレがあれば、リビングや客間から遠い方のトイレに来訪者を案内できるため、トイレを勧めやすくなります。また、思春期の子供もトイレに行きやすくなります。
③各階にあれば夜中も安全
各階にトイレがあれば階段の上り下りがないので、夜中のトイレも安心です。
◎複数のトイレ設置のデメリット
①掃除が大変
毎日使うトイレの掃除は面倒でもこまめにしたほうが、結果的に汚れが落ちやすく楽になりますが、当然、何か所もトイレがあると、その分掃除は大変になってしまいます。
②コミュニケーションの機会が減ってしまう
各階や離れた場所にトイレがあると、家族が集まるリビングの近くを通る必要がなく、結果的に家族のコミュニケーションの機会がへってしまう可能性があります。
■ベストの広さはどれくらい?
◎一般的には0.5帖
トイレの広さは0.5帖くらいが一般的で、便器や手洗いなどもその面積をもとに設計されています。ただ最近はタンクレスのトイレが増えてきたため、同じ面積でも以前より広く使えるようになってきています。
◎バリアフリーも考えて広めもあり
老後のことを考えてバリアフリーを取り入れ、広めの間取りにするケースも増えています。手すりの設置や車椅子で出入りすることを考慮すると、面積は1畳、ドアの開口部を85㎝以上確保する必要があります。
◎便座の向きやドアの形状でも使い勝手は大違い
同じ面積でも便座の向きやドアを開ける方向、ドアの形状などによってトイレの使い勝手は大きく変わってきます。希望の条件をはっきりとさせた上で、施行会社と念入りに打ち合わせをしましょう。
■トイレの雰囲気を左右する床材クロス選び
狭いトイレ空間を少しでも広く見せるために、床材や壁のクロスを明るい色で統一するのがおすすめです。ただ白やベージュは尿はねが目立つので注意が必要です。また最近では、素材自体がニオイを吸収する防臭効果のあるクロスも一般的になってきているので、こちらも検討してみてください。
■主流はタンクレス
最近では流す水をためておくタンクのない、タンクレスのトイレが主流となってきています。そんなタンクレストイレのメリットとデメリットを紹介します。
◎メリット
①お洒落なトイレ空間
タンクがなく便器部分だけなので高さを低く抑えることができます。視界に余計なものが入ってこないので、スッキリとしたお洒落な空間を演出できます。
②タンクが無いので省スペース
タンク部分が無いため奥行きが少なくて済み、狭いトイレを広く使うことができます。タンクがあるタイプに比べ、高さで30㎝、奥行きで10㎝程度省スペース化されています。
③掃除しやすい
タンクのあるトイレはタンクの下に手が届きにくく、掃除がしにくいというデメリットがありました。それに比べ、タンクレストイレはデザインがシンプルになっており、そもそも汚れがつきにくく、掃除がしやすくなっています。
④節水効果が高い
タンクタイプのトイレは洗浄の時に約13リットルの水を必要としていましたが、水道直結で水を流すタンクレストイレはその約三分の一の水で洗浄でき、節水効果に優れています。
⑤連続して水を流すことができる
タンクタイプのトイレは一度水を流すと、タンクに水が溜まるまで洗浄することができませんでした。しかし、タンクレストイレの場合は水道直結で水を流すので、連続して水を流すことが可能です。
◎デメリット
①手洗いができないので、手洗いを別に設置しなくてはいけない
タンクタイプのトイレの場合、水を貯める部分を利用して手を洗うことができました。しかしタンクレストイレはそれができないため、別途手洗いスペースを設ける必要があります。
②水圧の関係で設置できない場合がある
タンクレストイレは水道に直結し、水圧で便座を洗浄します。そのため水圧が低い場合は設置することができなかったり、設置出来ても詰まりやすくなってしまったりします。ただ最近では、水圧を補うブースターや小型タンクを内蔵してその不具合を防止しています。
③停電の時は水が流せない
タンクレストイレは電気を使って水を流す仕組みになっているため、停電時はトイレを洗浄することができません。ゆえに、バケツなどで水を流してやる必要があります。
■トイレを快適空間にする最新技術
最新のトイレは「トイレゆっくり派」を増やすほど快適装備が充実しています。フルオート便座やオート洗浄、自動開閉、脱臭機能などは一般的になってきました。最近ではWi-Fiスピーカー内蔵で音楽を聴くことができるトイレや便座横の吹き出し口に香りを含ませることで香るトイレなども登場しています。気になるものがあればショールームに足を運んで専門家のアドバイスを受けながら、実際の使い心地を体感してみてください。
■新築時のトイレ関係の注意点
◎窓はあったほうがいい?
窓には、狭い空間のトイレに開放感を与えてくれるというメリットがあります。また、トイレはニオイが気になる空間なので、換気の為に窓があったほうが良いように思いますよね。しかし、実は換気だけを考えれば、窓無しで換気扇だけのほうが空気を循環させやすくなるのです。また、窓があると外気が入ってくるので夏は暑く、冬は寒いというデメリットもあります。特に冬になるとトイレで亡くなる方が増えます。これは寒さでヒートショックを起こしやすくなることが原因と考えられています。最近のタンクレストイレでは、便座だけではなく、暖房機能の付いたものもあります。窓を設置する場合、トイレ内の温度調節には十分注意を払うようにしてください。
◎最低限の収納を忘れずに
トイレの収納をあまりにミニマムにしたために、収納スペースが全くない場合があります。しかし、トイレットペーパーや掃除道具など、トイレで必要なものは意外とあります。最低限の収納スペースは確保するようにしましょう。
■トイレは究極の個室
トイレは1人きりになれるプライベート空間、つまり「究極の個室」です。家族と喧嘩をしてトイレに駆け込んだり、考え事をしたくてトイレにこもったりしたことがある方もいるのではないでしょうか。新築で間取りを考える場合、確かにリビングやキッチンは大切ですが、家族の幸せを考えるとトイレも疎かにすることはできません。ぜひホッとできる快適空間になるように、トイレについてもしっかり考えてみてください。